クリスマスイブですね。小説家として数々の賞を受賞され、児童文学や絵本など子ども向けの作品も数多く発表されている、NY在住の小手鞠るいさんから、嬉しいクリスマス・メッセージと、NY郊外の森の、素晴らしい雪景色が届きました。
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天国から届いたクリスマスの贈り物
―――伊藤さんの絵本『Tiny Santa』を読んで
この小さな絵本を読むと、伊藤さんは画家であり、絵本作家でもあるのだけれど、
根っからの「物語作家」なのだなぁ、と、改めてそう思います。
伊藤さん、まず小さなサンタさんの姿が浮かんできて、
それからこの物語が浮かんできたのですか?
それとも、この物語が先に浮かんできて、それからサンタさんが見えてきたの?
天国の伊藤さんに電話をかけて、訊いてみたいなと思っています。
たぶん、両方がいっぺんにやってくるのでしょうね。
華やかでにぎやかなクリスマスの季節に、実はこんなに小さなサンタさんが、
ちゃんと私たちのところへやってきてくれて、
そして、私たちにも気づかないような小さな、でもとっても大切な贈り物を
届けてくれているのですね。
小さなサンタさんの存在に気づくことができるのは、犬だけ。
それも伊藤さんらしいなぁって思います。
物語に寄り添って、小さな判型で創られている本ですが、
私はいつか、このお話を思い切り大きな絵本で読んでみたいな。
伊藤さん、メリークリスマス!
地上から、伊藤さんの住んでいる惑星へ、ハッピーホリデイズ!
小手鞠るい
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小手鞠るいさんは、今年の9月に在米日系人についての壮大なロマン『星ちりばめたる旗』を発表されました。ポプラ社のHPよりご紹介いたします。
日本人であることが、罪になる。祖母は、母は、そんな時代を生き抜いた―― 日本人というルーツに苦しめられた祖母、ルーツを捨てようとした母、そしてそのルーツに惹かれる私。 アメリカ在住日系人家族の三世代を描く百年の物語。 太平洋戦争を挟んでの日本とアメリカの姿とともに、時代に翻弄されながら生きる人々のアイデンティティのありようを描き出し、現在の世界に巻き起こる問題をも浮かび上がらせる骨太な感動作。