もうすぐ9月、子どもたちの夏休みもそろそろ終わりですね。先週までの猛暑は少しおさまっていますが、今年は11月頃まで暑い!とニュースで言っていました。温暖化で、1年の半分が夏になりそうですね。
伊藤正道が若い頃に、幼児向け雑誌の挿絵として描いた絵をご紹介いたします。学研から発行された「よいこのくに」(1996年6月号)に掲載された、「ぼくは おねしょの めいじんだ」(作:井上よう子 絵:伊藤正道)
1)(上の絵)「ぼくは おねしょの めいじんだ」
ぼくの おねしょは すごいんだ。「おやすみなさあい。」 するとね・・・。
2)
あれれ、パジャマが つめたいぞ。 ピチャピチャ チャプチャプ なみのおと。
「たいへんだ。」 おきてみると、へやのなかは みずびたし。
「うん わかった、これは うみだ。
ぼくの おねしょが うみに なったんだな。」
ぼくは まどから そとに およいでいった。
3)
「きもちが いいなあ。どこまでも つづいているぞ。」
パシャパシャ およいでくと、「うわあ、くすぐったいよう。」
さかなの たいぐんだ。
「まて まてえ。」 ぼくと さかなの おいかけっこだ。
4)
こんどは くじらが およいでくるぞ。
「くじらくん。ぼくと いっしょに あそぼうよ。」
おおきな せなかで すべりだい。 しおふきシャワーで いいきもち。
5)
あそびつかれた ぼくは、さんごの はやしで ひとやすみ。
なんだか ねむたく なっちゃった。
プカプカ チャプチャプ ピチャピチャ。
6)
「おはよう。」おかあさんの こえだ。
あれれ、いつのまにか ぼく、じぶんのへやで ねむってた。
「なんて おおきな おねしょなの。」
ふとんをみた おかあさんは びっくり。だから、ぼくは おしえてあげた。
「これ、ただの おねしょじゃないの。 ほんとうは うみなんだ。」
7)
おひさまに てらされて、ふとんの うみが どんどん かわいていく。
「おねしょは かわいて そらに のぼっていくのよ。」
おかあさんが わらった。ほんとかなあ。 ぼくは そらを みあげた。
ああ、ほんとうだ! あおくて おおきな そらの うみに、
くじらと さかなが およいでいるぞ。「おうい、また あえたね!」
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夏の終わり、七里ガ浜の空と海