5月11日から始まったジオジオでの「海からの贈りもの展」は、7月2日に終了いたしました。6月中旬に大阪の14thmoonで開かれた「HAT展」も無事に終了いたしました。会期中、伊藤正道の絵をご覧いただいた皆さま、本当に有難うございました。
稲村ケ崎での展示は、6月半ば過ぎまで週末の大雨にたたられたり、江ノ電が混雑したり、と色々なハードルがあったためか、とても静かな日々が続いて、これでは・・・と心配していましたが、最後の2週、駆け込みで沢山の方々に来ていただき、ほっといたしました。
大阪の展示の芳名帳が届き、9日間の会期中に73名もの皆さまのお名前が書かれていて驚きました。「伊藤さんとロンドンの街を歩いているような気分になる・・」などなど温かいコメントも嬉しかったです。
ここに掲載した4点の絵は、今回ジオジオで展示した「でんぐりん」の絵です。この本は30年以上前に出版されたもので既に絶版なのですが、「この本はもう手に入らないのですか?」という声がとても多かったです。
お父さんが夜、娘に話して聞かせるクラゲのお話。おなかが空いたクラゲが魚やクジラやシロクマまで、どんどん飲み込んで、どんどん大きくなってしまう。とうとうお月さままで飲み込んで、「でんぐりん!」とひっくり返った拍子に、中にいた魚たちやシロクマなどみんな海にはじき出され、クラゲはきゅっとちぢんで元通り、波にゆられて浮かんでいた・・・。
実は環境のことや、教訓などを含んだ深いお話だけど、やさしい文章と絵がマッチして、読み終えるとふんわりとした気持ちになります。毎日新聞社主催の「小さな童話大賞」の落合恵子賞を受賞しました。いつの日か復刊されると良いのですが・・・。
『でんぐりん』(正道かほる・作 伊藤正道・絵)
あかね書房 1992年5月発行
毎日毎日暑いですね! これから夏も本番、皆さまくれぐれも熱中症に気を付けてください。