「風のように」

アニメーション「風のように」を観たくて下北沢に行ってきました。原作はちばてつや、1969年「少女フレンド」に掲載された読み切り短編の名作が、40年以上経てアニメーションとして蘇りました。花を求めて旅をする養蜂一家のトラックが谷底に転落、一人生き残った少年と、蜂に刺されて倒れていた少女との出会いから始まる、ドラマチックで心温まるストーリーです。

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伊藤正道は中高生の頃漫画家になりたくて、憧れのちば先生のアトリエを訪ねて漫画を見てもらいました。先生に「高校だけは出なさい」と諭されて・・・それから生涯に亘って交流をしていただきました。私も先生の少女漫画の大ファン、このお話の中にも大好きなキャラクター、健気で一途で気が強い少女・チヨが登場します。

アニメーション映画を映画館で見るのは何十年ぶりかしら。会場は50名くらいでいっぱい。蜂の大群が村を襲撃する迫力のあるシーン、山や村や花畑を描いた美しい風景・・・感動的なシーンの連続で40分があっという間でした。

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「風のように」は、「あしたのジョー」の連載が始まった1968年の翌年に発表された作品。ちば先生がこの作品をつくったきっかけについて語っています。

「『風のように』はもう50年近く昔に描いた作品なのですが、当時はちょうど日本が高度成長に差し掛かって、自然が壊されたり、工場もどんどん建つ、そういう時代だったと思います。日本の美しい自然がどんどん壊れてしまうことに危機感を感じたのがこれを描いたきっかけです。花とかミツバチとか自然のなかに生きる養蜂家たちが、四季それぞれに日本中を旅する。家の中に閉じこもって屋根裏でずーっと仕事をするのが漫画家の仕事ですから、養蜂家にとても憧れていました。」

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ロードショーの初日で終了後に、ちば先生、監督、作画監督のトークショーもあり、楽しいお話しを聞くことができました。「風のように」は7月29日まで下北沢のトリウッドで公開。この機会にぜひこの感動の名作をご覧くださいませ。

原作:ちばてつや 監督:本多敏行 作画監督:野口征恒 製作:エクラアニマル

7/9(土)~29(金) 下北沢トリウッド http://www.kazenoyouni.com/

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