NYの森から、『まだかな まだかな』

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少しずつ秋の気配が深まりつつありますね。稲村ケ崎の海辺もやっと静かになりました。

NY郊外の森の近くにお住まいの、小手鞠るいさんが、絵本『まだかな まだかな』について文章を寄せて下さいました。

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 抱きしめて眠りたくなる絵本

『まだかな まだかな』に寄せて

 

 どの作品もそうなのですが、この作品にも

伊藤さんの世界がまるごとぎゅーっと入っています。

胸にぎゅーっと抱きしめたくなるような1冊です。

 読み終えたあと「こんな星が本当にどこかにあったら

いいのになぁ」って思いながら、私は思わず夜空を見上げて、

伊藤さんの「まだかな星」を探してしまいました。

 

あっ、見つけた!

夜空のかたすみで、優しいオレンジ色の光を放ちながら、

きらきら輝いている伊藤さんの星。

そこには、伊藤さんのまわりを取り囲むようにして、

いろんな動物たちが暮らしているではありませんか。

ライオン、キリン、羊……ワニやくじらもいます。

くまや、しかや、せいうちたちも。

緑がいっぱい、木がいっぱい、そして実がいっぱいの星。

私も動物たちに交じって、伊藤さんのお話に耳を傾ける

ことにしました。

伊藤さんが私たちのために読んでくれた本のタイトルは、

『まだかな まだかな』というのでした。

 

伊藤さんが宇宙へ旅立ってから5年後に、再発行された作品です。

これは、伊藤さんから「地球上のすべての生き物たち」に

捧げられた作品ではないかと私は思っています。

 

あなたはこの地球に、どんな種を植えたいですか?

私はやっぱり伊藤さんと一緒に、お話の種を植えたいな。

 

小手鞠るい

 

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絵本『まだかな まだかな』

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この絵本は、伊藤正道が23年前に手掛けた絵本で、文章・絵とも本人が制作いたしました。1995年に発刊されたのち長年絶版でしたが、昨年春に判型も大きくなり、装丁も新たに復刊されました。 (発行:偕成社)

*この絵本が最初に出版された時の絵本雑誌「MOE」の紹介記事が見つかりました。

伊藤正道が、この絵本が生まれたきっかけについて語っています。

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