梅雨空の鬱陶しい日々が続きますね。それでも、そんなあいまに、
水彩で描いたような、淡くてきれいな空が広がると、嬉しくなります。
ジオジオの展示も今週の金土日と、来週の金土日までです。
今回「apple」や「HOUSE」の展示に合わせて、プリントも色々とご用意いたしました。
ぜひ稲村ケ崎まで足をお運びいただければと思います。
高松豪君初の13曲入りアルバム「聴こえる風景」が届きました。これは、伊藤正道の「DREAMING」の絵を使用した限定盤です。豪君についてちょっとご紹介を。
2年前の春、シンガーソングライターの高松豪という28歳の青年からメールがありました。「そちらで伊藤正道さんの絵本は買えますか?」神戸出身で、小さい頃から大阪ガスのCMのことがずっと気になっていて、最近ふと調べてみたら伊藤正道という方が絵を描いていることを知り・・・・・・と、色々とお話を聞き、画集『三日月の夜』の絵や文章を見て、正道との運命的なつながりを感じたそうなのです。
彼は5年間路上ミュジシャンとして演奏しているところを、憧れのユーミンに奇跡的に発掘されメジャーデビューして、その後日本各地やアジアでライブをやっているうちに、今や香港で大人気のミュジシャンなのです。今回のアルバムのコンセプトは「とにかく”一発録り”で、切って貼っての編集をしない、言わばありのままの録音をしたかった。これを”無農薬録音”と名付けました」とのこと。豪君とギタリストのフクちゃん、というシンプルな編成ですが、唄声と生ギターの音色が美しい、心地よいアルバムです。
彼はブログでこんなエピソードを「2011年12月に『三日月の舟』と言う曲を作った。その時はもちろん僕はまだ伊藤正道さんのことは知らない。ただこの曲を作っている時、頭の中に不思議と絵本とそのストーリーが出て来た。しかも鮮明にね。昔懐かしい、心にある大切なモノを引っ張り出してきたみたいなね。そして、この曲が生まれた2ヶ月後に伊藤正道さんは亡くなられた。何か僕にイメージを送ってくれたのかな・・・」 「三日月の舟」もこのアルバムに収録されています。
正道のイラスト入りCDは、ジオジオとファン限定盤です。数に限りがありますので、ご興味のある方は、このHPの「Contact」からぜひお問合せくださいませ。
◎「聴こえる風景」(限定盤) 伊藤正道のイラスト入り 13曲収録 3,500円<税込・送料別>
5月中旬から始まった「apple & HOUSE」展もそろそろ中日です。初日から色々な方々とお会いできて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
大阪から来て下さったイラストレーターの吉田磨希さん、バイクで来てくれる岩城亮太郎さん、材木座在住のイラストレーター大石香織さん、シンガーソングライターの高松豪君(「三日月の舟」が入っている素敵なCD出ました!)。
伊藤正道のアシスタントをしていた英子ちゃん、清風荘時代赤ちゃんだった娘のハナヨちゃん、ジオジオのSHOP担当いつも元気なトドちゃん、みんな揃って遊びに来てくれました。
目の見えない母を助けてくれた視覚障害ボランティアの方々、点字図書の宗さんご夫妻(ブログでもご紹介した京都のふく和ウチに行ってくださいました!)、録音図書の吹込みをされていた大野さん。鎌倉の素敵な古民家カフェtsuuのご主人も、忙しいお店の合間を縫って来てくださいました!
そして正道の同級生やお仕事をご一緒した方たち、鎌倉図書館の展示を見て下さった方、HPで検索してくださった方、散歩のついでに初めて訪れて下さった方々、いつも立ち寄って下さるご近所の皆さま・・・・・・。本当に有難うございます!!
正道が亡くなって4年4カ月が経ちました。昔も今も、そして新たにジオジオに来てくださる皆さまのお蔭で、今回も原画展を開くことができました。これからもジオジオ・ファクトリーを、どうぞよろしくお願いいたします!
ジオジオは6月26日まで、金曜・土曜・日曜オープンしています。しばらく良いお天気が続きそうですね、どうぞ稲村ケ崎までお気軽にお越し下さいませ。心よりお待ちしております。
稲村ガ崎の駅からジオジオに向かう時に、小さな橋を渡ります。「音無橋」という、大正15年に造られた石橋で、橋の下を流れる川が「音無川」。ジオジオに来られた方から名前の由来を尋ねられ、ネットで調べてみました。
音無川は各地にあるようですが、和歌山県熊野にある音無川が、昔は熊野詣の人々によく知られた川であり、川で身と心を清めながら渡ったそうです。熊野本宮大社は今は高台にありますが、明治の中頃までは熊野川と音無川が合流する地点の中州に鎮座していました。
稲村ガ崎の音無川も源流の辺りの山道に、熊野神社の小さな祠と古いお不動様が置かれています。鎌倉権五郎景政が音無川源流部に新熊野(熊野権現社)を勧請したそうなので、やはり熊野大社との関係があるのでしょう。
今の広い海岸道路は戦後の新しい道で、ジオジオへ向かうこの細い道が古くから重要な道だったと、近くに住むお年寄りの方が話してくれました。
「apple & House 展」が、いよいよ今週金曜日(5/13)からスタートします!! 伊藤正道は「apple」のシリーズを描いた時の気持ちを、絵本誌「MOE」のインタビューで、こんな風に語っています。
「最近、自分自身の生活の中で心地よい色に目がとまることが増えました。たとえば暗くなっていく空の色の段差、だんだん消えていく色の微妙な階調・・・。そういう色は、自然にもたくさんあるんですけど、部屋の中にもあるんです。光のあたっている壁とカーテン、カーテンで影になっている壁の色とか。その心地よい色にキャラクターを存在させながら、新しい世界をつくれたらと思う。・・・」
「HOUSE」のシリーズは、アルファベットの文字とともに展開する、ジオじいさんとマフィーくんの非日常的な日常生活。二人の楽しい会話とともに味わってください。絵本『HOUSE』も販売します。ギャラリーにお越しいただき、ぜひご覧いただければと思います。
今年もゴールデンウィークの鎌倉の混雑はものすごく、少しでも静かな街を求めて、逗子や藤沢、浦賀などの街を散策しました。
江戸時代には宿場町として賑わっていた藤沢。駅から徒歩15分程のところにある遊行寺は時宗総本山、1325年開山の由緒あるお寺です。お正月の箱根駅伝が遊行寺の坂を通るので、テレビでお馴染みの方もいらっしゃると思います。大きな屋根の本堂近くに、新緑の木立に包まれて一遍上人の銅像が佇み、夕方ということもあり、境内はとても静かでした。
黒船が来航したことで知られる浦賀は、横須賀からも近いのですが、穴場の観光地です。東京湾入口に立地し、深く海が切れ込んだ自然の地形が港としては最適、廻船問屋などが軒を連ね、江戸時代には栄えていたようです。港を挟んで向き合うように社が祀られ、破風の下の彫刻も見事です。東岸と西岸を往復する可愛い渡し船もあり、たった3分ほどですが、浦賀造船所跡地に建つクレーンやドックを眺められ、ちょっとした観光気分が味わえますよ。
夕暮れになると、さすがに稲村ガ崎の海辺も少し落ち着きます。江の島をバックに、ほんのり霞む富士山のシルエットが。