でんぐりん

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梅雨です。うっとうしい日が続いて、夜も寝苦しいですね。

伊藤正道が挿絵を描いた童話『でんぐりん』をご紹介します。文章は絵本作家の正道(しょうどう)かほるさん、なんと「ダブル正道!」です。海の中の絵がたくさん登場する、夏らしい本です。

小さな少女あいりは夜中に目が覚めてしまい、とうさんのふとんに、そっともぐりこみます。「とうさんのおなか、おとが、してるね。おなかの中に、うみがあるみたい。ねえ、とうさん、おはなしして。うみのはなし」

大きな大きなクラゲが、たくさんのお魚や、ペンギンやクジラ、シロクマまで飲み込んでしまう、奇想天外なストーリー。水彩絵の具のやさしいタッチ、大胆な構図で描いた絵に導かれて、お話が次々に展開します。ハラハラしながら、最後はほっとして、あいりは、とうさんの腕の中で眠りにつきます。

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30年近く前に発行された本で、残念ながら絶版です。でもネットで検索すると古本は購入できるみたいです。再販してほしい一冊です。

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『でんぐりん』 正道かほる・作 伊藤正道・絵

1992年6月 あかね書房 

毎日新聞社主催第8回「小さな童話」大賞の落合恵子賞受賞作品

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